こんにちは、kentaroです。第一次トランプ政権時から度々話題に上がっていたTikTok、いったいどうなることやらと思っていたらついに結果が出ました!!

ロイター通信のニュースによるとトランプ大統領がTikTokの米国事業売却が法律の要件を満たすと認めたようです。

これによって今年に発生したTikTokがアメリカで突如使用できなくなるといったようなことは今度おきなさそうです。

ただ実際これに対して買収される側の中国はどのように考えているのでしょうか。実際に記事を翻訳してみていきましょう。

そもそもTikTokとは何なのか

そもそもTikTokとは何なのかについて説明していきます。

TikTokとは中国のIT企業ByteDance(字节跳动有限公司:バイトダンス)が運営するアプリケーションサービスです。中国国内にTikTokという名前のサービスはなく、抖音ドウイン)という名前で運営されています。

両サービスの機能にそこまで差があるというわけではないですが、国内版のほうが先にリリースされているということもあり多機能(ショップ機能など)が早期から搭載されていました。

国内版(ドウイン)は2016年9月にリリースされ、2017年に国際版(TikTok)がリリースされました。

以降は中高生を中心に日本だけでなく世界中でブームを巻き起こし、2020年代に入るとGoogleやAppleストアでダウンロードランキング1位を取るほどの人気となりました。

TikTokは何がアメリカで問題になっているのか

ここまでの説明を聞くとTikTokはただのソーシャルメディアの内の一つで特に変わったことは一つもないように感じます。

ですが最も懸念される点が一つだけありました。それが、開発、運営を行う企業が中華系であるという点です。

現在中国には2017年6月28日に施行された中華人民共和国国家情報法中国国家情報法)というものがあります。

内容としては

目的と根拠:国家の情報活動に法的根拠を与え、国家の安全や利益を守ることを目的としています。

協力義務:いかなる組織および個人も、法に基づき国家の情報活動に協力し、知り得た秘密を守る義務があります。

協力者の保護:国家情報活動に協力した組織や個人を、国が保護・奨励し、協力によって蒙った損失を国家が補償する規定があります。

情報収集の拡大:国家主権、領土保全、経済・科学技術の情報収集など、経済・科学技術に関する情報活動(産業スパイ活動など)も対象に含まれる可能性があります。

簡単に言えば、すべての企業は政府に収集した情報を提供しなくてはいけない可能性があるということです。

もしかしたらアメリカ人の情報が中国政府に抜かれてしまうかもしれない。それをトランプ大統領が警戒して、、、、という形になっていました。

中国の記事から見る今回の報道

今回の記事では復旦大学国際政治系の教授が公開した内容がメインとなっているようです。

かれは二つの重大な事実があるとして事実を公表していて、その二つが

1.中国和字节跳动保持了TikTok在美国的运营,且并没有卖掉TikTok美国业务。

中国とByteDanceは米国におけるTikTokの事業を維持しており、TikTokの米国事業を売却していない

2.算法仍然归字节跳动所有,只是授权给TikTok USDS使用。

アルゴリズムはいまだByteDanceが所有しており、TikTok USDSにライセンスされているだけである。

この二つは日本の報道では見かけなかったので非常に驚きました。

さらに読んでいくとどうやら“字节跳动TikTok美国公司”(バイトダンスTikTokアメリカ社:以下BD TikTok US)と“TikTok美国数据安全公司”(TikTokアメリカデータセキュリティ会社:以下TikTok USDS)という二つの会社になるということらしいです。

美国用户数据存储和安全、内容安全保障和软件检查和上架批准等业务,被纳入到“TikTok USDS”;而其他诸如广告、电商、跨境商业活动等重要业务,依然会由“BD TikTok US”负责运营。

アメリカのユーザーデータの保存とセキュリティ、コンテンツの安全性とセキュリティ、ソフトウェアのチェックとオンシェルフ承認は「TikTok USDS」に組み込まれ、広告、電子商取引、越境商業活動などの他の重要な事業は引き続き「BD TikTok US」が運営する

つまり、アメリカ最大の懸念であるユーザーデータ管理についてと実際のサービス運営を行う会社を分けるということだそうです。

また、

“BD TikTok US”一直是由字节跳动100%持有,这一点在之后不会发生任何变化。也就是说,广告、电商等重要的营利性业务,之前是、以后仍然是由字节全资控制。

ここではバイトダンス社が米TikTok社の株式を100%保有することになり引き続きアプリケーションサービスを提供し続けるという意味になります。

上述负责人的表述,涉及到了“委托运营”“知识产权”“使用权”“授权”等关键词,实际就是在说:TikTok算法的“知识产权”归属中国和字节跳动,将通过“授权”等方式,给到TikTok USDS“使用权”。

ここにはTikTokが開発したアルゴリズム(ここで言う知识产权、知的財産権)はTikTokに起因するものとして、あくまでTikTok USDSに使用権を与えているだけであるといえます。

またこの後の文章に向美国主体收取授权费とあり、これはアメリカ側から使用料のようなものを徴収するということを指している可能性があります。

TikTokのアルゴリズムは世界中のショート動画サービスの中でも非常に精度が高いものでありアメリカ側に渡したくないという思いもあったのかもしれません。

まとめ

今回の記事から考えられることは

1TikTokは米国のユーザーデータを収集・保管する会社を分離させる。

2だがしかしTikTok自体の運営は直接関与する。

3TikTokが開発した独自アルゴリズムは使用権を譲渡する形で完全な移行ではない。

という事実だと考えられます。

ロイター通信によりますと「TikTokの米事業について、米オラクルと米投資ファンドのシルバーレイクを含む3社による投資家グループが併せて約50%を出資する見通し」だと書いてあり、この投資先が新たに設立される米国のユーザーデータを収集・保管する会社なのではないかと考えます。

ただ米中双方の記事にまだ確定ではないという見解があることから今度多少の変化がある可能性も否定はできないという感じになっています。

最後まで記事を読んでくださいありがとうございました。

今回のロイター通信の記事は下記のURLを参照しました。

https://newspicks.com/news/15145073

また、中国語の原文記事はこちらです。腾讯新闻の牛弹琴というライターの方の記事です。

https://news.qq.com/rain/a/20250922A014JH00