こんにちは。kentaroです。
中国旅行で現金はほとんど不要になりました。
Alipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)は都市部ではほぼ全店舗で使え、タクシーや地下鉄、屋台でもQR決済が主流です。
本記事では、外国人旅行者が実際にどちらを使うべきかを、登録のしやすさ、カード紐付けの可否、場面別の使い分け、トラブル対応まで実体験ベースでわかりやすくまとめます。最近は両社とも「海外発行カードの紐付け」を進めており、状況は改善しています。
目次
前提:Alipay と WeChat Pay の基本的違い(ざっくり)
- Alipay(支付宝):Ant Group 系。大型チェーンや観光地での導入率が高く、観光客向けの機能(Tour Pass や国際カード紐付けの拡大)が進んでいます。観光中心の都市では導入が簡単でおすすめです。
- WeChat Pay(微信支付):Tencent 系。ローカル商店や個人経営の屋台・露店での利用率が高い傾向があり、地元生活圏で強い普及率を持ちます。チャット・ソーシャル機能と統合され、P2P送金が気軽。
※ どちらも都市部ではほぼ使えるため、両方インストールしておくのがベストです。
登録手順と必要なもの(外国人向け・短期滞在者の実務)
共通の事前準備
- スマホ(Android / iOS)と現地のモバイル通信または海外ローミング。
- パスポート(身分確認用)と、日本のクレジット/デビットカード(Visa / Mastercard 推奨)。
- (あると安心)中国で使える電話番号(現地SIMか一時eSIM)。
A. Alipay(支付宝)の登録(外国人向け・簡易)
- App Store / Google Play で「Alipay」をダウンロード。
- 電話番号(海外番号可)でアカウント作成。
- ホームの「Wallet(钱包)」→「Bank Cards(银行卡)」でカード追加。International card の紐付けが可能になっている地域が増えています(Tourist / International card サービス)。
- 必要に応じて「Real-name verification(実名認証)」でパスポート情報・顔認証を行う(都市や利用範囲により要求されることがあります)。
ワンポイント:Alipayは「Tour Pass」や国際カード連携の導入が進んでおり、主要都市でのカード紐付けは以前より格段に簡単になっています(上海市の公式案内でもガイドあり)。
B. WeChat Pay(微信支付)の登録(外国人向け・簡易)
- WeChatをダウンロードしてアカウント作成(電話番号で登録)。
- 「Me」→「Wallet」→「Bank Cards」→「Add a Card」でカード情報を入力。SMS認証等が入る。
- 実名認証を求められる場合はパスポート情報の入力や顔認証を行う。
ワンポイント:WeChatはローカルの小規模商店で使いやすい反面、アカウントの「実名認証」やSMS認証の要件が場所により差があります。
クレジット/デビットカード紐付け成功率(実務的目安)
- Alipay:近年、国際ブランド(Visa, Mastercard, American Express 等)との提携が拡大。都市部では高い成功率(70〜90%)だが、カード発行国やカード会社の3Dセキュア設定によって失敗するケースあり。American Express の統合ニュースなどもあり、可用性は上がっています。
- WeChat Pay:Visa/Mastercardの紐付けも対応が拡大中で、短期滞在者向けの利用は比較的安定。ただし、カード会社の海外利用制限やSMS認証の有無で失敗することあり。全体の成功率はAlipayと同等またはやや下回ることが多い。
実務アドバイス:どちらのアプリも「海外カードが使えない」可能性に備え、複数のカード(VisaとMastercard両方)を用意し、現金・国際プリペイドカード(VISAプリペイド)をバックアップしておくと安心です。
タクシー・地下鉄・屋台 — 場面別の使い分け
- 地下鉄・公共交通(乗車QRや乗车码):都市でAlipayの「乗车码(Metro QR)」が導入されていることが多く、Alipayの方が都市公式連携がスムーズな場合が多い。改札でQRを提示するだけで乗車可能(事前に乗车码開通が必要な都市あり)。
- タクシー:都市・タクシー会社によるが、メーター+QRでAlipay/WeChat両対応が一般的。配車アプリ(DiDi)はWeChatやAlipayと連携することがある。
- 屋台・個人商店:WeChat Payの利用が非常に多い傾向。個人がQRを提示している場合、WeChatの方がスムーズに受け取れるケースがある。とはいえ、都市部の屋台でもAlipayが使えることが増えています。
戦略:地下鉄やチェーン店主体の観光なら Alipay を最優先、ローカル屋台や市場を多く回るなら WeChat Pay を重視。両方入れておくのが最も確実です。
支払い失敗・送金エラーの対処法(実際に効く手順)
- カードが弾かれる/追加できない
- カード会社に「中国でのオンライン決済(3Dセキュア/海外利用)を許可」しているか確認。多くはセキュリティでブロックされるため事前連絡が有効。
- QR読み取りで支払いが弾かれる
- 通信不良(地下や建物内)の可能性:ネット接続を確認し、再表示/再読み取りを試す。互いに近距離でのQR表示を奨励。
- 支払いが二重に行われた/返金が必要
- 店側に領収トランザクションを見せ、払い戻し処理を依頼。アプリの「Transaction History」から記録をスクショして提示すると早い。返金はアプリ経由で数営業日かかることがある。
- 送金(P2P)が届かない
- 相手のアカウント表示を確認。国際カード紐付けでの送金に制限があるケースあり。ダメならアプリのサポートに問い合わせ(チャット機能)を使う。
- 最終手段:現地カスタマーサポート
- Alipay / WeChat のアプリ内ヘルプ、もしくは中国のカスタマーセンターにチャットで連絡。英語対応の可否は地域により差があるため、翻訳アプリを併用するとスムーズ。
比較表(要点まとめ)
| 項目 | Alipay | WeChat Pay |
|---|---|---|
| 登録のしやすさ(短期客) | 観光向け機能あり、比較的スムーズ。Tour Pass・国際カード対応拡大。 | アプリ登録は簡単。カード紐付けは可能だが、実名認証やSMSの要件で差が出る場合あり。 |
| 国際カード紐付け | 可能(都市・カード種別により成功率変動)。AmEx等の提携拡大で利便性向上。 | 可能(Visa/Mastercard 対応拡大)。ただしカード会社の制限で弾かれる例あり。 |
| 屋台・個人商店での受容度 | 都市部で高いが、ローカル屋台ではWeChatが多いことも。 | ローカルで強い。露店や小規模店舗で頻出。 |
| 地下鉄・公共交通の統合 | 都市によって「乗车码」等でスムーズ(特に大都市)。 | 一部都市で使えるが、Alipayの方が導入例が多い場合あり。 |
| トラブル対応 | アプリ内サポートあり。英語対応は地域差。 | アプリ内サポートあり。英語対応は地域差。 |
まとめ(旅行者への実践的アドバイス)
- 両方インストールして、場面に応じて使い分けるのが一番安全です。
- 複数カードを持参(VisaとMastercardなど)し、カード会社に海外利用を許可しておく。
- 地下鉄や観光地中心ならAlipayを先に整備、市場や屋台中心の旅ならWeChat Payを重視。
- トラブル時は取引画面のスクショを保持し、アプリ内チャットで即問い合わせ。現地サポートに相談すると解決が早くなります。
参考・出典(主な情報元)
- 上海市公式:Alipay での海外カード連携ガイド。english.shanghai.gov.cn
- WeChat Pay の外国カード対応に関する解説(China Briefing)。China Briefing
- Reuters(2025年):American Express の Alipay 連携ニュース(国際カード対応の拡大)。Reuters
- Trip.com(2025年):Alipay の使い方ガイド。Trip.com
- TravelChinaWith(2025年):旅行者目線の比較レビュー(Alipay がセットアップしやすいという評価)。