みなさんこんにちは。kentaroです。
つい先月29日にこんなニュースが入ってきました。
第二次世界大戦中に存在したと言われている旧日本陸軍の細菌兵器731部隊の映画「731」が突如延期されたというニュースです。
私自身中国ハルビンの731記念館へ行った際映画の予告編や広告を見ていて部隊名に因んで7月31日に公開されると少しドキドキしてその時を待っていました。
それなので突如延期のニュースが流れた際はとても驚きました。

日本へ帰国してみてまず感じたのはそもそも「731の知名度が明らかに低い」ということです。
731についてよく知らないと今回の延期のニュースがどれほどのことなのかよくわかりません。
そこで今回は731部隊とはいったい何なのか、そして延期されたけど結局再公開はされるのかなどについて中国の記事を翻訳をしつつ解説していきたいと思います。
そもそも731部隊とは何なのか
731部隊(Unit 731)とは、第二次世界大戦中の旧日本陸軍が創設した研究機関です。
正式名称:関東軍防疫給水部本部
設立:1936年(昭和11年)
本部:ハルビン近郊の平房(現・中国黒竜江省)
指揮官:石井四郎(軍医中将)
指揮官であった石井四郎の名前をとって石井部隊とも呼ばれていたそうです。
731部隊は表向きは「防疫(伝染病対策)や給水の研究機関」とされていましたが、実態は生物兵器の開発と非人道的な人体実験を行う軍事機関でした。
捕虜となった中国人やロシア、朝鮮人を利用してペスト・炭疽菌やコレラなどの感染実験、毒ガスの人体への影響を確認する実験を行ったりしていたといわれています。
また、そこで開発した細菌兵器を中国大陸の複数の地域で使用していたともいわれています。
こういった行為はナチスのホロコースト同様に戦後大きく世間に広まり戦争犯罪人として刑罰を受けるはずでした。
ですが実際は極東国際軍事裁判ではほとんど裁かれることはありませんでした。

映画のその後
延期されたとニュースが流れた731の映画ですが中国のニュースによると再公開日が決定したそうです。
その日付は9月18日。この日になったのは理由があります。
1931年のこの日関東軍は柳条湖近辺の満州鉄道の線路を爆破し、満州全域を占領した満州事変(中国では九一八事変と言われている)が発生した日です。
中国のネットニュースでは
电影《731》选在这天上映,就是要我们在光影中,再次回望那段不能忘却的历史,时刻提醒着 “勿忘国耻,振兴中华”。
と書かれており、日本語訳をすると
映画『731』がこの日に公開されることになったのは、忘れてはならない歴史の一端を光と影でもう一度振り返り、「国辱を忘れず、中国を復興させよう」と常に思い起こさせるためである。
と書かれています。それほど9月18日というのは中国人にとって戦争を思い起こさせる重要な日なのです。
ただし、ここで忘れてはいけないのは、この映画は決して反日教育のために作られた映画ではないということです。
監督は映画を作るために十年以上の歳月を費やし、国内だけでなく日本も訪れ資料や文献を見て勉強をしたそうです。
役者の方々は歴史に真摯に向き合い演技をしたとコメントを残し、記事を書いたライター自身も「これは強い反戦メッセージを伝える映画である。かつての悲劇をしっかり学び、今ある貴重な平和を大切にしよう。」とコメントをしています。
戦後80年という節目のこの年、私たちも平和について考える必要があるのかもしれません。
最後にあるライターの方のコメントを記して終わりたいと思います。
《731》不仅仅是一部电影,它更像是一本生动的历史教科书。在这个和平年代,我们不能忘记过去的伤痛,不能让历史的悲剧再次上演。
<731>はただの映画ではありません。これはまさに”生きた”歴史の教科書です。この平和な時代に、私たちは凄惨な過去を忘れず、歴史的な悲劇を再び繰り返すようなことをしてはいけません。
